武田信玄|戦国最強の甲斐の虎Ⅱ

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一つ目は貝の話である。信玄がまだ幼少期のころ、「貝合わせ」という遊びをするために沢山の貝を集め、部屋いっぱいにその貝を広げた。信玄はざっとその場にある貝の数を数え、とっさにあることを思いつき、彼の家臣に「ここに貝はいくつあると思うか。」と尋ねた。すると、ある家臣は「10000」、またある家臣は「15000」と次々と答えていく。

そこで信玄は、「皆的違いだ。ここにあるのは3700枚ほどだ」と教えた。さらに信玄は「わしは今まで、合戦には兵力が必要だと思っていた。だが兵力は少なくてもよい。必要なのは5000以下の兵でも、それを1万以上の兵に見せるように兵を動かすことが大事である。」と答え、家臣たちに、そのことを心得るよう諭した。当時まだ13歳ほどだった信玄の、非凡な才覚に家臣たちは、皆感心した。

二つ目は信玄の戦に対する心構えの名言である。信玄は「風林火山」の戦い方の名のもと戦国時代最強の武将とうたわれているが、その生涯における戦の成績は72戦中49勝3敗20分。
あの戦上手で負けなしのイメージがある信玄であるが、全体を通して20回もの引き分けの戦があった。この戦績の意味するところを表した言葉を、信玄は残している。

「戦いは五分の勝利をもって上となし、七分を中となし、十分をもって下となる。五分は励みを生じ、十分はおごりを生ず。」普通は、十分の勝利、完全勝利をなすことによって、武将としての評価を上げたり、また家臣からの信頼度を上げると考えるが、信玄はそう考えなかった。完勝をしてしまうことで、驕りを生じ、後のいい結果や軍の士気にはつながらない、まして悪影響であるから避けるべきと考えた。そこで五分の接戦が、後の軍の励みになり、次の戦に備えることが出来ると考えたのである。目の前のことにのみとらわれず、先を見据えで、物事を捉える信玄ならではの考えである。

三つ目は、現代のある名言、ことわざのオリジナルであるこの言葉「為せば成る、為さねば成らぬ成る業を、成らぬと捨つる人の儚さ。」これは、「強い意志を持って取り組めば必ず実現できる。一方取り組まなければ何も出来ない。やればできるのに、無理だと言って諦めるのが、人の儚さであり、弱さである。」と言っている。この名言から、信玄は決して才能だけでのし上がってきたものではなく、非常に努力家でもあった。この名言は現代に生きる人にも通じるところがあるのではないか。

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